コーチングは馬車?

▲ グランドキャニオンで見つけた観光バス

コーチの語源は馬車

COACHブランドのロゴマーク

「コーチ(coach)」の語源は「馬車」です。「その人が望むところへ連れて行く」という意味で個人的な家庭教師をコーチと呼んだことに始まり、「その人の目標達成を支援する」という意味で「コーチング」という言葉が使われるようになりました。
いま乗り物としての「コーチ」は、長距離バスや2ドアセダンを指すようです。上の写真は、以前グランドキャニオンに行った折りに見掛けたバスです。

また私は、コーチングではクライアントが「自ら目標を設定」し、コーチはその目標に向けて「個別に対応」するのに対し、
「あらかじめ敷かれたレール」の上を「大勢の人」を「効率よく一斉に運ぶ」列車(train)を語源とする「トレーニング」との違いを際立たせて説明していました。

コーチは御者ではない

一部で、この「馬車」表現が誤解の元になっています。コーチを雇えば〝連れて行ってもらえる〟のだと。コーチは御者ではありません、連れて行ってあげません。

走者と監督車

こちは箱根駅伝の走者(選手)と、運営管理車(監督が乗っている)の写真です。
コーチとクライアントは、正にこの関係です。監督(コーチ)は本人の状態や、環境状態、他の競技者の状況などを客観的に観察し、クライアントに伝えるのです。走るのはクライアントです、自らの力で走るしかないのです。

誤解を恐れず敢えて言うならば、
コーチはクライアントをドライブする人、クライアント自らの意思と力で走らせる人なのです。「コーチングという指導法は甘い」と言う人がいますが、そんなことはありません。

コーチングの目的は、クライアントを「主体者」にすることです。主体者として自らの意思で行動を起こし、その結果に責任を取るのは本人です。
「コーチ(上司・指導者)が言う通りにやったのだから、その結果に対する責任はコーチ(上司・指導者)にある」などという状況は作りません。

コーチングは、目標達成を通して人を育てる厳しいものだと思っています。