ニーズの変化
前回「このトピックスを使ってコーチングやコーチングスキルに関わる考えを一旦まとめよう」と書き、〝傾聴〟についてまとめました。
着地点は「在り方」ですが、いきなりスキル系から始めてしまったなと思い、今回は〝コーチング〟を振り返ります。
30年以上前「24時間、働けますか?」という栄養ドリンクのCMが流行っていた時代から今は「人生100年をどう生きるか」。なんと時間スケールが「24時間」から「100年」に変化しています。
これに呼応して、目の前の「目標達成」「生産性向上」を謳っていたビジネスコーチングも、「自分らしい人生を生きるために」「個人の幸せ」の比重が増えてきています。
VUCAな時代のストレスが、コーチングにおけるメンタルヘルスのサポートに対する需要も高めています。国際コーチング連盟(ICF)の調査でも、多くのコーチがメンタルウェルビーイングのサポートを求めるクライアントの増加を報告しているのです。
私が当初より標榜していた「目標達成」の先にある「人生の幸せ」をめざすコーチングが、ビジネスの世界でも広まっていると思います。
「種(たね)」が持つ可能性
コーチングの本質は変わっていません。私は、植物の育成を例えにしてきました。一粒の小さな種が、どれほど大きくなるのか、どれほど綺麗な花を咲かせるのか、どれほど美味しい実をならせるのか、・・・無限と言っても良い程の可能性を持っています。肝心なことは「環境」です。

こちらの写真は、埼玉県狭山市の堀兼小学校校庭に凜とそびえる大きな楠木(くすのき)と、奥に小さく写っていますが大きな大王松です。
学校設立前から人々や子どもたちを見守っています。
巨木、巨樹は、与えられた環境に自らを最大限に適応させ、潜在能力を発揮している樹木です、数100年から1000年以上生き抜いて。
私は、旅先で大樹を探してはお目にかかってきました。アイキャッチ画像で紹介している本は、先日見つけたものです。私が惹かれて、会いに行った大樹も含まれており、嬉しくなりました。
大樹は私の生き方の見本になっています。
コーチの仕事は、クライアントの環境を整え、クライアントが持つ自らの能力を開花させることです。環境次第で、どれほどにも成長します。
「生きる力」を強くするのがコーチです。
コーチングは対等な対話
コーチは、クライアントの可能性を信じ、真の幸せを目指す、このプロセスを作り出すために〝対等な対話〟を行います。「質問する人」「答える人」の関係ではありません。課題を置いた丸テーブルを挟んで立ち、問いを作っていく。
「何が不足しているのだろう?」「そちらからはどう見える?」「テーブルを回してみたら?」「コッチに移動してみたら?」など、こんなイメージで・・・
ここで陥りやすいのが、コーチが「自分に見えているものが正しい、教えてあげなければ!」など自分に固執すること。
今この場で、そのクライアントにとってのその課題は、全く新しいものであり、コーチが持つ経験の延長線上にあるものではない。
その課題に向かう二人は全く対等なパートナーであり、共観する相手なのですのです。
智玄流コーチング
結果として「コーチングを楽しむコーチ」になる。
楽しめるコーチングって何?
クライアントの成長や変化が自分の喜びとして楽しめること。
「子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者」(論語)
「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」
これは、コーチの在り方になります。
「桃李不言下自成蹊」(史記の「李将軍列伝」)
「桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す」
これも、私、コーチ智玄が目指す在り方です。
クライアントさんに伝える智玄流と言えば
「己を知り〝念い〟を叶える」コーチングです。