何をどう聴くのか
前回トピックスの最後の問い掛け、頭に残っていました・・・
で、その答えは「20年以上、コーチとして多くの人と関わり、今現在、私が辿り着いているコーチングやコーチングスキルに関わる考えを一旦まとめよう」でした、このトピックスを使って。(実は私、本を書くのは嫌いなのです。)
コーチに最も求められるスキル(能力)は「傾聴」「積極的傾聴」(アクティブリスニング)と言われる「聴く力」です。
「聴」の旧字「聽」は、
偏(へん)の部分は〝耳を突き出し〟旁(つくり)の部分は〝まっすぐな心で〟
を意味しており「体を相手に向けて素直な気持ちできく」なのです。聴く姿勢と心構えを現しています。
積極的に聴くとは何なのでしょうか。本来「聞く」とは耳に入ってくるもの受け止める動作ですが、積極的は自分から外部に働きかける動作です。
相手が発している言葉を受け止める動作は受動的ですが、相手が発していない声、言葉の奥にある心の声や付随している感情 は聴き取りに行かなければキャッチできません。「話していないことを聴く」、ここに「積極的」の意味があります。
自己との対話を促進させる
人の話を聴くというのは、自分が何を言いたいのかをまだ知らない人が口を開くその現場に立ち会うこと。
私たちが自分について知りたいと思うことは他者を経由してしか入手されない。
この文章は、内田 樹(うちだ たつる)さんの著書「態度が悪くてすみません--内なる「他者」との出合い」に見つけたもの、大きなインパクトを受けました。正にこれがコーチの聴き方だと!
コーチの聴く力は、コーチがクライアントを深く知るためではなく、クライアント自身が深く自分との対話に入っていくことを狙っているのです。
クライアントが自分で自分に気づき、自分自身と話し始める、そこに共に居るコーチの存在がそうさせるのです。

コーチングを学び始めたとき、「課題やその答えはクライアントの中にある」そう信じることがコーチの鉄則であると教えられました。
クライアントが自己との対話を進めれば、自分自身で答を見つけられるのです。つながりました。
散歩道にあるお寺の境内の「蝋梅(ろうばい)」、その香りで存在を示しています。その香りをキャッチした私の脳は、色々なことを思い出します・・・
コーチは、心に余裕を持ち、好奇心を発揮して共感的(感情の理解、共観)に聴き、共に居る存在で良いのです。
しかし、どのような人でも自分だけでは見えない所があります。コーチは、クライアントとの対話の中で、そこを見つけます。
「ここには何があるの?」「ここはどうなっているの?」「私にはこんなものが見えるけど」・・・

この対話には「質問」や「フィードバック」のスキルが現れてきますが、それは次の機会にまとめましょう。
最近、ヒートショックによる体調異変が話題になりました。我が家でも脱衣所にグラファイトヒーターと送風機からなる暖房機を取り付けました。私が取り付けたのですが、高所なので大変。この施工で体調異変を起こしました(^0^)。
「蝋梅」にしても「ヒーター」にしても、その前に居たくなる存在相手ですね。