宝珠山立石寺
仙台の作並温泉から山形の山寺と出羽三山神社、蔵王エコーラインを巡る南東北を旅してきました。
山寺の正式名称は「宝珠山立石寺」。松尾芭蕉が「奥の細道」で
閑さや岩にしみ入る蝉の声
と詠んだことで有名ですが、奇岩怪石の山全体が修行と信仰の場であり、山門から奥の院に参拝するだけでも1,015段の石段を上ります。
上のアイキャッチ画像は、麓から満開の桜越に見上げる山寺。
下の写真は、山寺から見下ろした麓の桜、綺麗すぎます。

出羽三山
出羽三山は「月山」「羽黒山」「湯殿山」の総称。それぞれのお山に神様が居られ、西の「伊勢詣」に対し「東の奥参り」と称して出羽三山に詣でる風習が息づいています。

羽黒山の山頂には三山の三神を祀る「出羽三山神社(三神合祭殿)」があり、お参りしてきました。
神仏習合時代の名残を留める得意な造りで国の重要文化財に指定されていますが、私は、綺麗な曲線を描く、厚さ2m以上の萱葺き屋根に驚かされました。
鐘楼も切妻造りの萱葺きで、大鐘(口径1.68m)を支える6本の柱と共に見応えのある姿でした。
本殿と霊祭殿を継ぐ形で「千佛堂」があり、ここには明治の神仏分離でお山から下ろされた仏様が戻され安置されています。また、龍や天女の天井画を見ることが出来ました。

私たちは、この出羽三山神社まで車で上がったのですが、本来は、麓の随神門から2,446段続く上り下りの石段を登るものなのです。
その道中に素晴らしさがあるのです。
その素晴らしさを少しでも味わおうと、車で随身門まで下山して入り口に戻る狡(ずる)をしました。
「随身門」から始まる表参道石段の両側には樹齢350~500年の杉並木が続き、国の特別天然記念物に指定されています。右の写真は、樹齢千年と言われる「爺杉」と「羽黒山五重塔」。
ここまでは10分ほど石段を歩けば到着できます。昔は「婆杉」が並んでいたそうですが、明治35年に暴風で失われてしまったそうです。
奥に見えている「羽黒山五重塔」、杉並木の中にひっそりと立っていますが、均整が取れ、細かい作り込みのとても美しい立派なものでした。これも国宝に指定されています。良いものを拝ませていただきました。
雪の壁
羽黒山からは、桜や「さくらんぼの花」を眺めながら蔵王温泉までドライブ、連日の〝石段詣〟で疲れた足を休ませてあげました。

翌日の帰路は、25日開通したての蔵王エコーラインを選択。
こちらの写真は、その「雪の壁」。春爛漫の里から、冬の名残の蔵王山への移動は、体感的に非常に厳しいものがありましたが、視覚的には、景色は素晴らしいものでした。
さらに、蔵王のお釜を見ようと、展望台まで上がりましたが寒風が強く、早々に退散。山頂レストランでストーブを囲み、甘酒で息を吹き返しました。
今年は、地元埼玉から信州、南東北への桜前線の追っかけが大成功!
最後、極寒の蔵王山は、良いオマケでした!!
来月から「仕事」が詰まってきますが、これで元気に向かえます。