第二の人生を考えるクライアントさん
人生100年と言われる時代、一人の人間が働く期間を約50年とすると、日本企業の平均寿命30年を遙かに超えています。「一企業内でどう出世するか、どうキャリアを積むか」という価値観で生きるには、人生は長すぎるのです。
Z世代、中年、壮年、すべての世代のクライアントさんをコーチしていると、生きる価値を何におくか、世代は勿論のこと個人による差異、多様性が大きく見られます。
今、世の中では「会社や組織に縛られず、自分がやりたいことを見つけ、自分の人生は自分で作る」という風潮が強いように思われます。
また、それに対応した働き方や制度が現れています。コーチもそれを応援します。
しかし「“やりたいこと” なんか無い、分からない」と言う人も大勢います。「“やりたいこと” が明確」な人は、少数派です。
人生は、わがままを言わず「大型バスに乗って」「誰かが運転する車の助手席に座って」いるのが楽、自分でハンドルを握らなくても良いではないか、と言う人も結構いるのです。
そんな中で、コーチとして思いを巡らせているとき「パラレルキャリア」という概念に出合いました。実はこれ、P.F.ドラッカーが「明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命」の中で提示した概念です。アドラッカーを自称している私が、恥ずかしいことに知りませんでした。日本語では “複” を当てて「複業」としているようです。
中年の危機
「・・・、人間の方が組織よりも長命になった。そこで全く新しい問題が生まれた。第二の人生をどうするかである。」
「・・・、知識労働者は何歳になっても終わることがない。文句は言っても、いつまでも働きたい。とはいえ、30歳の時には心躍る仕事だったものも、50歳ともなれば退屈する。だが、あと20年とはいかないまでも、10年、15年は働きたい。したがって、第二の人生を設計することが必要となる。」
と、ドラッカーは中年の危機を訴え、第二の人生の問題を解決する方法の一つとして「パラレルキャリア」、すなわちもう一つの世界、第二の仕事を持つ事と述べています。多くの場合、非営利組織で週10時間程度働くと。
私の思いは、この目的は、本人の「リカレント」で、自己研鑽や自己実現を目指したもの。収入を目的にした「副業」とは異なっていると解釈しています。
「リスキリング」は、企業が主体となって行う点で異なっていますが、本人の捉え方次第で意味合いが変わってくるでしょう。
これらの実践者は、新しい人脈やスキル、知識、経験を本業に生かそうとする意識が強く、本業の仕事に対して新たな社会的意味や価値を見出すなど、仕事と生活の好循環を生み出しているように思います。
CSR(企業の社会的責任)の一環として、組織的に社員のボランティア活動などを後押しする制度導入もみられますが、自分の可能性を広げていく社員を応援することは、企業の社会貢献活動の新しい形になってきています。
異常気象の危機
新型コロナ第7波および激暑と豪雨で、旅行や散歩すらままならない状況で、考えを巡らせるだけのトピックスになってしまいました。
その中、短い散歩中にサツマイモ畑にピンクの花を見つけました
(この写真、左下部分「花のアップ」は、別写真を合成しています)。
以前、沖縄で紅芋の花を見たことがありますが、本州でサツマイモの花が咲くことは大変珍しいそうです。しかし、温暖化、日本の亜熱帯化で珍しい事ではなくなってくる途中なのか・・・。