巨匠二人が教育をテーマにして
前回トピックスのピーター・センゲと、著書「EQこころの知能指数」で〝Emotional Intelligence:感情的知性〟の概念を世界に広めたダニエル・ゴールマン、ビジネス・マネジメント領域で世界に大きな影響を与えている二人が、教育をテーマに共著した本を読みました。
いまだ多くの学校教育の場に「受ける側」「評価される側」という構造が残っている事で生まれる危機を述べ、〝学び〟の本質を訴えています。
私に見えたのは、生まれてから死ぬまで〝学び〟はあらゆる場に必ずあり、人生の要素であり喜びであるということ。
幼子が歩き方を、言葉を、喜びと共に学んでいく、これと同じプロセスが学校教育の場で失われるとすればとても残念なことです。「学校ではそんなやり方は出来ない」と決めつけているのは何なのでしょうか?
学校教育が変わることが、社会が変わるために最も必要な要素でしょう。
ビジネスやマネジメントの世界での巨匠もこれを訴えているのです。
感情的知性とシステム思考
EQでビジネス界で有名になったダニエル・ゴールマンですが、彼はいつも教育にフォーカスし〝SEL:Social and Emotional Learning〟(社会性と感情の学習)を広める活動をしてきたそうですし、一方のピーター・センゲも、提唱する「システム思考」の学校現場における活用に取り組んでいるのです。
二人に共通する教育改革の中心は、〝すべては「学ぶ」(Learning)についてであり、「教える」(Teaching)ということではない〟ということです。
そして、提唱している「トリプルフォーカス」~子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点~ 答えの見えない世界で子どもたちに送るツールとして具体的道筋を示しています。
1.「自身」(inner):私たちの内側の世界に注意を向ける。自分が感じていることに気付きその原因を理解し、対処法を知る。
2.「他者」(other):自分を理解することが出来て、初めて相手が見ている世界を理解することが出来、関わり方・関係性を効果的に作ることが出来る。
3.「外の世界」(outer)より大きな外の世界、システムを理解する。
この本の巻末には「世界と日本で進むSEL教育入門」として、(一社)日本SEL推進協会代表理事、下向さんの分かりやすい解説が付いていますので、あなたにもぜひ読んで頂きたいです。
今年も、6月から行っている小学校での「コミュニケーション講座」、昨日授業を行った本庄南小学校の教室に、こんなものを見つけました。
蒔田晋治さんの「教室はまちがうところだ」の詩です。
答えの見えない時代「まちがっている」かどうかも分からない。
安全安心の場が、自由に言い合える場が、学びを促進させるのです。
この本に集中して、チョト疲れました。そういう時は散歩!
我が家の近く、狭山稲荷山公園に自生するヤマユリを見に行きました。これだけ咲いていると香ります、甘い香りが観察路を包んでいます。
このヤマユリを見つけ、薮だらけの斜面2ha(約6000坪)を整備し、300株程だったヤマユリを4年かけて1000株以上まで再生させたのは、地域のボランティア「稲荷山・山ゆりの会」の皆さんです。私が出向いたときも現地に居られ案内説明してくださいました。
昨年は100輪もの花がついた「帯化ヤマユリ」が開花したそうです。
ぜひ見てみたい! 来年は咲くのかな~