あのピーター・センゲ

▲ 「テクノロジーの進化と学習する組織」ピーター・センゲ氏

ピーター・センゲ氏と出会う

直接お目に掛かったわけではありません、コロナ禍で一気に普及したウェビナー(Webinar)上です。
今まで私にとっては、名著として読んだ何冊かの本に書かれている「著者名としてのピーター・センゲ」でした。(「学習する学校」は、分厚すぎてまだ読み切れていません(^0^))

ピーター・センゲ氏の著書

語っている姿を見ながら入ってくるものは、どこか違いますね。このテクノロジーの進化は有り難いです。

このウェビナーは、ダイヤモンド社主催の経営・戦略デザインラボ、「テクノロジーの進化と学習する組織」です。
テクノロジーの進化が「人間」に与えている影響(特にコロナ禍において加速・顕著化した)、テクノロジーは人間が活用するものなので多様性に対応しなければならない。しかしながら現状の高度なテクノロジーは、人間のあらゆる面を均一化していると指摘し警鐘をならしています、これには新たな視点をもらいました。

リレーショナル・フィールド

「学習する組織」に関する研究が進むにつれて、以前は背景にあった〝信頼の土台となる関係づくりの場〟「リレーショナル・フィールド」(ソーシャル・フィールドとも)が重要な位置づけに上がってきた、と述べています。

その中でコロナ禍で表面化した、社会との接点が減る、無くなることでのストレスを挙げています。特に子どもの社会化への影響、若者が抱えるの将来への不安を心配しており、それが、リレーショナル・フィールドの質、「人との信頼性」「自分らしくいられる」と関係があると述べています。

カナダのブリティッシュコロンビア州では、州内の子どもたち全員の「ウェルビーイング」の追跡調査をしており、4~5歳から始まる継続調査が、もう20年も続いているそうです。同州の学校では「ソーシャル・エモーショナル・ラーニング」を実施していますが、それでも子どもたちのウェルビーイングは、20年間下がり続けているというのです。
若い人たちが抱えているこの不安とストレスは、大人達へと波及していくと述べています。

マネジメントと教育

ピーター・センゲ氏

後半、品質管理を日本に持ち込んだ、あのデミング賞で有名なデミング博士との対話が披露されました。

ここで、非常に印象に残った事として、デミング博士が

■ビジネスやマネジメントと教育を結びつけた
■ビジネスにおける多くの問題の根源は教育制度と絡み合っている
■経営システムの変容は、教育システムの変容によってのみ起きる

と言っていた事です。これが意図しているのは、
■権威と権力の不当な行使
■本当の意味での問い掛けや相互理解の不足
■そして共創できる環境の欠如
である。ヒエラルキーを否定しているのでは無く「悪い教え方」「悪いヒエラルキー」がまん延している、とピーター・センゲは述べています。

そして彼は「これが私がビジネスの世界から教育の世界に踏み込んだ切っ掛けです」と述べていますが、この部分、
私(智玄)が、2014年にビジネスコーチから教育界でのコーチングに踏み込んだのと、全く同じ動機だと感じました。(ちなみに、ピーター・センゲ氏と私は同い年でした。何の関係もないですね。)
まだまだ、学びを書き切れません~~、がここで止めます。
ダイヤモンド社さん、素敵なウェビナーをありがとうございました。