「助求力」と「受援力」

▲ 「ヘルプシーキング」助けを求める力

「助求力」は必要な能力だ

上のアイキャッチ画像、今年5月に発売された小田木朝子 著「仕事は自分ひとりでやらない」(フォレスト出版)の表紙です。
〝「助けを求める力」こそ最強のビジネススキルである〟〝仕事を抱え込まず、周りに助けを求める技術「ヘルプシーキング」の教科書〟とあります。

この「けをめる」、私が3年前から訴えている助求力は必要な能力だ」に一致しています。嬉しくなって、早速購入してしまいました。

私が訴えている「助求力」

私が、広く表立って使っているのは小学生向けの授業で、千人以上の児童に配っているのがこのカードで、

■ 各自の得意を出し合って(不得意は助けてもらって)チームの成果を大きくしよう。
■ 自分が弱っているとき、「ここは、今は助けて」と言おう。そう言えるのはお互いにとって素晴らしいことなのだ。

と伝えている活動の中です。この授業を聞かれた先生方や、この授業を発表した学習会などの参加者から、これは大人にとっても重要なことですね、「助求力」この言葉を使わせて欲しいと言われ、喜んでいた私なのです。

続いて「受援力」

この本も同じ事を「受援力」と

シンクロして私に飛び込んできたのが、
今年3月に発売されていた、吉田穂波 著 “社会人に最も必要な 「頼る」スキルの磨き方 あなたの力を120%発揮させる「伝え方+考え方」”(KADOKAWA)でした。

この本のテーマは、他の人から助けられることをよしとする力として「受援力」「頼るスキル」を上げています。

そして「頼る」という言葉に、ネガティブな響きを感じる人が多いと思いますが、人口減少、多様化が進むこれからの社会にとって最も必要な能力になっていくと言える、と述べています。
これは、私が訴えてきたことと全く同じなのです。

心理的安全性が基盤

「心理的安全性」は、Google社が “チームのパフォーマンス向上のために重要な要素である” と発表して以来、多くの企業や組織に関心が広がっている概念です。

心理的安全性の高さは、「一人ひとりが自分らしく働いている状態」「安心して何でも言い合えると感じる状態」「否定されない、拒絶されないと感じる状態」で測ることができます。

「助求力」や「受援力」を発揮するためには、自分の弱みをさらけ出すこともあるため、心理的安全性が確保されている必要があるのです。
「なにをいっても非難されない、ダメ出しされない」「勇気を出してリスクを取っても(他の人とは違う意見を口にする、自分の失敗を白状するなど)、嘲笑されたり悪口をいわれたりしない」と思える安全性が担保されていることが必要なのです。

こういった環境を作り、「助求力」や「受援力」が社会で必要な能力(スキル)である事を広めていくこともコーチの仕事であると感じています。