文珠堂 (龍岩寺)
所用があり山口県の周防大島に出掛けてきました。瀬戸内海では小豆島に次ぐ大きな島で、明治の「官約移民」で約4千人がハワイ移民として海を渡り、1963年にはハワイのカウアイ島と姉妹島縁組、今ではハワイ色を打ち出した観光にも力を入れています。

今回は道に迷って出合った古い「文珠堂(龍岩寺)」の話題です。
お堂の表札には「日本三文珠周防龍岩寺」「大同元年弘法大師開刹」とあり、案内板には「大同元年(806年)弘法大師(空海上人)が唐から帰途、瀬戸で難航、三蒲流(みがまながれ)に上陸され、松尾寺奥の院のこの地に文珠菩薩の尊像を刻まれ本尊として当堂を建立された」とありました。
また、「日本三大文珠は、大和国(奈良県)阿倍の文珠、丹後国(京都府)切戸の文珠、そして周防国(山口県)この岩屋の文珠である」ともあり、なかなか歴史的意義のあるお堂と感じました。
帰宅後、情報を集めてみると、弘法大師空海が創建したとされる寺院や修行地で大同元年(806年)に開創されたものは、安芸(広島)の宮島にある大本山大聖院が上がってきました。
「三文殊」としては、京都府の「切戸の文殊」(智恩寺)、奈良県の「安倍文殊」(安倍文殊院)、山形県の「亀岡文殊」(大聖寺)が上がってきました。
う~ん、どうやら周防大島の文珠堂は見過ごされているようです。
三人寄れば文殊の知恵

それはそれとして、案内板には
「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があるように文珠菩薩は知恵の神様である。
学問や知識の「知」だけでなく、人間としての徳を高め精神を磨いて受けられる「智」を目指すべきである。そのためには仏様の無限の智恵を頂くようお願いして拝むことである。
とありました。
私「智玄」の名は、目指すものとして「深遠なる智慧」を意味して付けています。
この案内文を見て嬉しくなり、再度、拝み直し、お堂の横にあった「文珠智慧の鐘」を撞(つ)かせて頂きました。
「智慧」が仏教由来の言葉で真理を見極める精神的な能力を指すのに対し、「知恵」は物事を正しく判断し、応用する能力を指す言葉です。

人生の前半は技術者として専門知識の追求に臨んでいた私が、50を過ぎて人と向き合う仕事に就き、「智慧」を見つめるようになれたのは嬉しいですね。
上記で、弘法大師が創建したとされる安芸(広島)の宮島にある大本山大聖院を出しましたが、このお寺は世界遺産「厳島神社」の別当寺です。その鳥居は世界的に有名になっていますが、その分社は日本全国にあるそうで、ここ周防大島にもありました。
宮島と同様に海に鳥居が建てられ、瀬戸内海の青く澄んだ海と、赤い鳥居の対比が美しい景観を生み出しています。
もう一つの顔はミカン

周防大島のもう一つの顔は「ミカン」。地元の人は「甘いだけのミカン」を嫌い、酸味のきいた甘さを追求しています。
今回利用したハワイ風ホテルの宿泊プランには「ミカン狩り」がセットされていました。面白い取り合わせですが、せっかくなので楽しんできました。極早生(ごくわせ)ですが、酸味と甘みの共存した「大島ミカン」でした。


